【更年期症状を抱える女性の働き方実態調査】約6割が勤務先に症状があること伝えず、約4割が働きづらさ感じ、退職検討約2割。約2割は勤務中に無意識にきつい言い方や高圧的な態度をとってしまった経験あり。
更年期症状を理由に職場でハラスメントを受けた経験のある女性が1割強も。特別休暇の付与など更年期症状の社員をサポートする制度等がある勤務先は1割弱
社内規程管理クラウドの企業向けサービス「KiteRa Biz(キテラビズ)」と、社労士向けサービス「KiteRa Pro(キテラプロ)」を展開する株式会社KiteRa(代表取締役CEO:植松隆史、本社:東京都港区、読み:キテラ、以下「当社」)は、この度、更年期症状を抱える40代以上の女性会社員600名を対象に、【更年期症状を抱える女性の働き方実態調査】を実施しました。
調査の結果、約6割が勤務先に更年期症状であることを伝えていないことがわかりました。また、更年期症状が理由で働きづらいと感じている人は約4割で、約2割は退職を検討したことがあると回答しました。さらに、約2割は無意識にきつい言い方や高圧的な態度をとってしまったと回答しており、自分自身でコントロールしきれず悩んでいる様子がうかがえます。
そして、1割強の方が更年期症状であることを理由に職場でハラスメント(嫌がらせ)被害に遭っていたことが明らかになりました。受けた内容で最も多かったのは更年期についてのからかいでした。更年期症状が原因で勤務中に感じることは、モチベーションの低下が5割でした。一方で、更年期症状に対して、特別休暇の付与や相談窓口の設置などサポートを行っている企業は1割弱でした。
政府は、東証プライム市場に上場する企業の女性役員の比率を2030年までに30%以上にする目標を設けています。また、厚生労働省では女性の健康問題について社会的な関心と理解を深めることを目的とし毎年3月1日から3月8日までを「女性の健康週間」と定めています。このように女性活躍が推進される昨今、更年期症状を抱える従業員への理解や支援強化が企業に求められると考えられます。
主な調査結果
①更年期症状を理由に職場でハラスメント(嫌がらせ)を受けたことがある人は12.8%との結果に。受けたことがある人にハラスメントの内容を質問したところ、最多の回答は「更年期についてからかわれた」が61.0%、次いで「陰口を言われた」42.9%、「暴言を受けた」35.1%との結果に。
②更年期症状が原因で勤務中に感じることで最も多かったのが「モチベーションの低下」54.3%、次いで「空調温度が合わない」51.0%。他、「無意識にきつい言い方や高圧的な態度をとってしまった」20.5%。
③勤務先に更年期症状があることを伝えていない人は60.5%、理由は「更年期症状に関する制度がないから」が62.0%で最多。
④職場で更年期症状を伝えた39.5%のうち、41.2%が苦しさを理解されていないと認識。理由を聞くと「笑われた」「バカにされた」「ただの体調不良だと思われた」等の回答が寄せられた。
⑤更年期の働き方をサポートする勤務先は6.7%。サポート内容として最も多かったのが「相談窓口の設置」65.0%、次いで「時短勤務や休職」30.0%、「特別休暇」22.5%。
⑥更年期症状に関して勤務先に相談相手がいる人は半数以下の45.5%。
⑦更年期症状を理由に働きづらさを感じる人は44.2%。
⑧更年期症状を理由に退職を検討したことがある人は18.8%。
⑨更年期症状に関して職場に期待する対応は最多が「休暇制度の新設・整備」42.3%、次いで「在宅勤務やフレックス制など柔軟な勤務形態」37.8%、「業務分担や人員の増強」30.5%。
詳細
①更年期症状を理由に職場でハラスメント(嫌がらせ)を受けたことがある人は12.8%との結果に。受けたことがある人にハラスメントの内容を質問したところ、最多の回答は「更年期についてからかわれた」が61.0%、次いで「陰口を言われた」が42.9%、「暴言を受けた」が35.1%との結果に。
「更年期症状を持つことを理由に、会社でハラスメント(嫌がらせ)を受けたことはありますか」の質問に対しての回答は、「受けたことがある」が12.8%、「受けたことがない」が87.2%との結果に。更年期症状を持つ女性の約8人に1人がハラスメント被害に遭った経験があることが判明した。
また、ハラスメント被害に遭ったことがあると回答した人を対象に、「どのようなハラスメント(嫌がらせ)を受けたことがありますか」と質問したところ、最多の回答は「更年期についてからかわれた」が61.0%、次いで「陰口を言われた」が42.9%、「暴言を受けた」が35.1%だった。その他、「不当な人事評価を受けた」20.8%や、「不当解雇された」3.5%と雇用や待遇に関する回答があがった。
②更年期症状が原因で勤務中に感じることで最も多かったのが「モチベーションの低下」54.3%、次いで「空調温度が合わない」51.0%。他、「無意識にきつい言い方や高圧的な態度をとってしまった」が20.5%。
「更年期症状が原因で勤務中に感じることは何ですか」の質問に対し、最多の回答は「モチベーションの低下」が54.3%、次いで「空調温度が合わない」が51.0%。また、「無意識にきつい言い方や高圧的な態度をとってしまった」が20.5%と一定数あり、自分自身でコントロールしきれないメンタル不調で悩んでいる様子がうかがえる。
③勤務先に更年期症状があることを伝えていない人は60.5%、理由は「更年期症状に関する制度がないから」が62.0%で最多。
「更年期症状があることを職場に伝えていますか」の質問に対しての回答は、「いいえ」が60.5%、「はい」が39.5%との結果に。
「いいえ」と回答した更年期症状があることを勤務先に伝えていない人に、その理由を聞くと、最多が「更年期症状に関する制度がないから」62.0%、次いで「誰に話せばいいか分からないから」28.9%だった。
④職場で更年期症状を伝えた39.5%のうち、41.2%が苦しさを理解されていないと認識。理由を聞くと「笑われた」「バカにされた」「ただの体調不良だと思われた」等の回答が寄せられた。
「更年期症状があることを職場に伝えていますか」の質問に対し「はい」と回答した人に、「勤務先で更年期症状を伝えた際、苦しさを理解されていないと感じたことはありますか」と質問したところ、「ある」と回答した人が41.2%、「ない」が58.8%との結果に。
「ある」と回答した人に、理解されていないと感じた理由を聞くと、以下の回答が寄せられた。
・大したことないと笑われた(40代)
・症状のことを伝えるとバカにされる(40代)
・夏季の冷房が寒かったため自身でひざ掛けなど対応を取っていたらみっともないと言われた(60代)
・見た目では分からないから(40代)
・ただの体調不良だと思われた(50代)
・見て見ぬふりをされた(40代)
・男性が多い職場環境だから(50代)
⑤更年期の働き方をサポートする勤務先は6.7%。サポート内容として最も多かったのが「相談窓口の設置」65.0%、次いで「時短勤務や休職」30.0%、「特別休暇」22.5%。
「職場で特別休暇の付与や相談窓口の設置などサポートする取り組みはありますか」の質問に対し、「ある」と回答した人は6.7%、「ない」が70.8%、「わからない」22.5%との結果に。更年期の働き方をサポートする勤務先は1割弱にとどまった。
「ある」と回答した人を対象に、「どのような取り組みがありますか」と質問したところ、最も多かった回答は「相談窓口が設置されている」65.0%、次いで「時短勤務や休職が認められている」30.0%、「特別休暇が設けられている」22.5%だった。
⑥更年期症状に関して勤務先に相談相手がいる人は半数以下の45.5%。
「職場で症状に関して相談できる人はいますか」との質問に対し、「はい」と回答した人は45.5%で、「いいえ」が54.5%との結果に。
⑦更年期症状を理由に働きづらさを感じる人は44.2%。
「更年期症状が理由で、職場で働きづらいと感じたことはありますか」との質問に対し、「とても感じる・やや感じる」と回答した人は44.2%で、「全く感じない・あまり感じない」と回答した人は55.9%との結果に。
⑧更年期症状を理由に退職を検討したことがある人は18.8%。
「更年期症状が理由で、退職を検討したことはありますか」との質問に対し、退職を検討したことが「ある」と回答した人は18.8%、「ない」と回答した人は81.2%との結果に。約5人に1人は更年期症状が理由で退職を検討したことがあることが判明した。
⑨更年期症状に関して職場に期待する対応は最多が「休暇制度の新設・整備」42.3%、次いで「在宅勤務やフレックス制など柔軟な勤務形態」37.8%、「業務分担や人員の増強」30.5%。
「更年期症状に関して職場ではどのような対応をとってもらいたいですか」の質問に対し、最多の回答は「休暇制度の新設・整備」42.3%、次いで「在宅勤務やフレックス制など柔軟な勤務形態」37.8%、「業務分担や人員の増強」30.5%との結果に。
考察
政府は2022年に「女性活躍推進法」を改正し、労働者101人以上300人以下の事業者も、女性活躍に資する行動計画の作成・届出、女性活躍に関する情報公開を必須としました。同年には「育児・介護休業法」を改正し、出産・育児などと両立できるよう職場環境の整備を推し進めるなど、社会全体で女性が健康に活躍できる環境整備を目指しています。
『更年期症状』は女性の健康問題の一つです。しかし、今回の調査結果では、更年期症状を抱える女性が勤務先でハラスメント被害に遭った経験があることや、苦しさを伝えても理解してもらえないと感じていることから、更年期症状への理解不足がうかがえます。また、特別休暇の付与や相談窓口の設置などサポート体制が整っている企業は1割弱であり、女性活躍が推進される一方で企業における女性の健康課題に対する対応が追い付いていない実態が明らかとなりました。
現状のままでは、女性の求職や離職率は増加の一途をたどり、労働損失や生産性等へ影響を及ぼす可能性があります。
女性が安心して健康に活躍できる社会の実現に向けて、従業員に対し女性の健康問題を学ぶ機会を設けヘルスリテラシーを高めることや、相談窓口の設置や休暇制度などのサポート体制を強化すること、女性の健康に寄り添ったルールや制度を整備し周知・運用していくことは企業が対応すべきことの一つであると考えられます。今後も当社は人々が安心して働ける世界をつくるため、社内規程管理クラウド「KiteRa」の提供を通じて女性が健康に活躍できる世界の実現に取り組んでまいります。
調査概要
調査名:更年期症状を抱える女性の働き方実態調査
調査期間:2024年2月14日~2月16日
調査方法:インターネットを利用したアンケート調査
有効回答数:600
対象条件:「現在または過去に患っている(いた)疾患名・疾患病についてすべてお知らせください。」との設問に対し、『更年期障害』を選択した全国の40代以上の女性会社員
株式会社KiteRaについて
「安心して働ける世界をつくる」をミッションに掲げ、安心して働くためのルール(仕組み)である社内規程をTechnologyの力で簡単に正しく運用できる社内規程作成クラウドサービス、社労士向けの「KiteRa Pro」と企業向けの「KiteRa Biz」を展開しています。今後も社内規程を通じて誰もが安心して働くことのできる世界の実現を目指します。
名称 | 株式会社KiteRa |
所在地 | 東京都港区北青山1-2-3 青山ビル7階 |
代表者 | 代表取締役CEO 植松隆史 |
設立 | 2019年4月1日 |
事業内容 | 社内規程クラウド「KiteRa」の企画・開発・運営 |
コーポレートサイト | https://www.kitera.co.jp/ |
主要サービス | 社労士向けSaaS「KiteRa Pro」https://kitera-cloud.jp/pro/ 企業向けSaaS「KiteRa Biz」https://kitera-cloud.jp/biz/ |